風ふけばよそに鳴海のかた思ひ
思はぬ波に鳴く千鳥かな

風ふけばよそに鳴海のかた思ひ思はぬ波に鳴く千鳥かな

藤原秀能 – 新古今和歌集 649

 

風に流され、遠く離れてしまった身となって、鳴海潟を偲びながら、見知らぬ波間で鳴く千鳥よ。

※「よそになる身」、「鳴海の潟」、「片思ひ」がそれぞれ重ねられている。

今ぞ聞くこころは跡もなかりけり
雪かきわけて思ひやれども

今ぞ聞くこころは跡もなかりけり雪かきわけて思ひやれども

後徳大寺左大臣(徳大寺実定) – 新古今和歌集 664

 

今そのような便りを受けて驚いています。私の想いは雪を掻き分けてあなたのもとを訪れていたというのに。心に足跡はなかったのですね。

※藤原俊成「今日はもし君もや訪ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな」を受けた返歌。

今日はもし君もや訪ふとながむれど
まだ跡もなき庭の雪かな

今日はもし君もや訪ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな

皇太后宮大夫(藤原)俊成 – 新古今和歌集 663

 

今日はひょっとすると君が訪ねてきてくれるのではないかと思って庭の雪を見ているのですが、まだ足跡はありませんね。

「雪のあした、後徳大寺左大臣の許につかはしける」歌。返歌はこちら

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