足引のこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき
菅贈太政大臣(菅原道真) – 新古今和歌集1690
山のあちらこちらに道がある。しかし、私に向かって「さあ、都へ帰りましょう」と言ってくれる人はいない。
足引のこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき
菅贈太政大臣(菅原道真) – 新古今和歌集1690
山のあちらこちらに道がある。しかし、私に向かって「さあ、都へ帰りましょう」と言ってくれる人はいない。
晴るる夜の星か川辺の蛍かもわが住む方に海人のたく火か
在原業平朝臣 – 新古今和歌集1589 (伊勢物語 第八十七段)
あの光は、晴れた夜の星だろうか、川辺を舞う蛍だろうか。それとも、私の住む芦屋の里で漁師たちが焚く火だろうか。
世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ
蝉丸 – 新古今和歌集 1851
この世はどのように過ごしても同じことだ。煌びやかな宮殿も、粗末な藁小屋も、最後にはなくなってしまうのだから。
しづかなる暁ごとに見わたせばまだ深き夜の夢ぞ悲しき
式子内親王 – 古今和歌集 1970
静まり返った暁に自身を省みれば、まだ悟ることもできず深い迷妄のうちにいることが嘆かわしい。