かくとだにえやはいぶきのさしも草
さしも知らじな燃ゆる思ひを


かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを

藤原実方 – 後拾遺和歌集 612 (小倉百人一首 51番)

 

これほどまでにあなたを思っているのに、それを言うことができないのです。あなたはご存知ないでしょう、私の、この燃えるような恋心を。

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惜しめどもとまらぬ春もあるものを
いはぬにきたる夏衣かな

惜しめどもとまらぬ春もあるものをいはぬにきたる夏衣かな

素性法師 – 新古今和歌集 176

 

行かないでくれと惜しんでも留まってはくれない春があり、来てくれと言いもしないのにやってくる夏がある。しょうがなく衣替えをした。

※「(夏が)来る」と「(夏の衣を)着たる」が掛けられている。

風ふけばよそに鳴海のかた思ひ
思はぬ波に鳴く千鳥かな

風ふけばよそに鳴海のかた思ひ思はぬ波に鳴く千鳥かな

藤原秀能 – 新古今和歌集 649

 

風に流され、遠く離れてしまった身となって、鳴海潟を偲びながら、見知らぬ波間で鳴く千鳥よ。

※「よそになる身」、「鳴海の潟」、「片思ひ」がそれぞれ重ねられている。

晴るる夜の星か川辺の蛍かもわが住む方に海人のたく火か

晴るる夜の星か川辺の蛍かもわが住む方に海人のたく火か

在原業平朝臣 – 新古今和歌集1589 (伊勢物語 第八十七段)

 

あの光は、晴れた夜の星だろうか、川辺を舞う蛍だろうか。それとも、私の住む芦屋の里で漁師たちが焚く火だろうか。

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