忘れずよまた忘れずよ瓦屋の下たくけぶり下むせびつつ


忘れずよまた忘れずよ瓦屋(かはらや)の下たくけぶり下むせびつつ

藤原実方朝臣 – 後拾遺和歌集 707

 

忘れてなどいない。あなたのことを忘れてなどいない。

瓦を焼く小屋の煙にむせぶように、あなたへの変わらない恋心に咽び泣いているのです。

 

※瓦屋(かはらや)が「変わら(ぬ思い)」と掛けられている。

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今ぞ聞くこころは跡もなかりけり
雪かきわけて思ひやれども

今ぞ聞くこころは跡もなかりけり雪かきわけて思ひやれども

後徳大寺左大臣(徳大寺実定) – 新古今和歌集 664

 

今そのような便りを受けて驚いています。私の想いは雪を掻き分けてあなたのもとを訪れていたというのに。心に足跡はなかったのですね。

※藤原俊成「今日はもし君もや訪ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな」を受けた返歌。

今日はもし君もや訪ふとながむれど
まだ跡もなき庭の雪かな

今日はもし君もや訪ふとながむれどまだ跡もなき庭の雪かな

皇太后宮大夫(藤原)俊成 – 新古今和歌集 663

 

今日はひょっとすると君が訪ねてきてくれるのではないかと思って庭の雪を見ているのですが、まだ足跡はありませんね。

「雪のあした、後徳大寺左大臣の許につかはしける」歌。返歌はこちら

かくとだにえやはいぶきのさしも草
さしも知らじな燃ゆる思ひを

かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを

藤原実方 – 後拾遺和歌集 612 (小倉百人一首 51番)

 

これほどまでにあなたを思っているのに、それを言うことができないのです。あなたはご存知ないでしょう、私の、この燃えるような恋心を。

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